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弁理士業務暦20年以上、中小企業の知財の出願・訴訟に多くの実績があります。山口県山口市出身です。

information法改正まとめ

知財に関する法改正についてブログなどで公表した内容を備忘録として以下にまとめておきます。


■平成23年改正法の通常実施権の当然対抗制度(2012年1月20日メモ)

1.新法施行日(2012/4/1)以後に発生した通常実施権だけでなく、新法施行日(2012/4/1)より前に発生している通常実施権も、新法施行日(2012/4/1)以後に特許権を取得した新特許権者に対して、新法99条により当然に第三者対抗力を有する。

これは、平成23年法律第63号附則2条11号が、「新特許法・・・第99条の規定は、この法律の施行の際現に存する通常実施権にも適用する。」と定めているためです。

2.しかし、他方、新法施行日(2012/4/1)より前に発生している通常実施権は、その通常実施権の発生後で新法施行日(2012/4/1)より前に特許権を取得した新特許権者に対しては、新法施行日(2012/4/1)以後も、新法99条による当然の第三者対抗力は有しない。

この場合は新法99条は適用されないということです。

新法99条の文言だけからは反対の解釈もできそうなのですが、そもそも新法99条は「新法施行以後において発生した通常実施権とその発生後(つまり新法施行以後)に特許権を取得した者との関係」を定めている(上記1の平成23年法律第63号附則2条11号はその例外として「新法施行より前に発生した通常実施権」にも新法99条の適用を認めただけ)から、本来的に「新法施行より前に特許権を取得した者との関係」は新法99条の範囲外という考え方によるようです。

3.新法施行日(2012/4/1)より前に発生している通常実施権は、その通常実施権の発生後で新法施行日(2012/4/1)より前に特許権を取得した特許権者からその特許権を新法施行日(2012/4/1)以後に譲り受けた新特許権者に対しても、新法99条による当然の第三者対抗力を有しない。これは、上記2から、当たり前のことです。

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■平成23年改正法による訂正内容(2011年11月10日メモ)

平成23年法律第63号は、特許の訂正について大きく改正しています。訂正に関する主な改正点は、次のとおりです。

1.新法において訂正審判の請求単位・確定単位(134条の2、155条、167条の2など)に関して導入された「一群の請求項」とは、「1つの独立項とそれを引用する従属項とから成るグループ」のことで、政令でもそのように定められています。

新法の126条1項4号で、「従属項を独立形式に訂正すること」が訂正目的として追加されましたが、これは、特許権者が所望の従属項を「一群の請求項」から外すための手段を特許権者に与えるために定められたものです。

2.今回の改正法(平成23年法律第63号)の附則について、重要かなと思う部分は次のとおりです。
(1)同附則2条18号 この法律(平成23年法律第63号)の施行日(平成24年4月1日)の前に請求された審判については、その審判が確定するまでは、なお従前の例による。

(2)同附則2条21号 この法律(平成23年法律第63号)の施行日(平成24年4月1日)の前にした訂正審判又は訂正請求による訂正に係る特許の無効(旧特許法第123条1項8号(訂正要件違反)に係る無効に限る)については、なお従前の例による。

(3)上記(1)のように、同附則2条18号は、改正法の施行日(平成24年4月1日)以後に請求される審判(訂正審判や無効審判)については改正法が適用される、と定めています(反対解釈)。

しかし、ここでの「改正法」とは従前の条文が「改正で書き換えられた部分」だけなので、それ以外の部分、例えば特許法126条の3項(新規事項追加禁止)、4項(実質上の拡張・変更)、及び5項(独立特許要件)などは「改正で書き換えられた部分」ではないため、依然として改正前の条文が適用されるようです。

3.上記2との関連ですが、特許法のようにしばしば改正される各改正法の附則の経過措置の相互関係は複雑でなかなか理解しがたいところがあります。

例えば、平成10年(行ケ)第407号審決取消請求事件判決は、「平成5年改正法(平成5年法律第26号)の施行日(平成6年1月1日)より前に特許出願がされたものの、平成5年改正法の施行日(平成6年1月1日)以降に特許査定が確定して設定登録がなされ、その特許に対して、その後になされた無効審判及びその中における訂正請求(訂正審判でも同じ)」についての、例えば新規事項追加禁止(訂正要件の1つ)の判断に関しては、平成5年法律第26号(平成5年改正法)附則2条1項および平成6年法律第116号(平成6年改正法)附則第6条1項により、平成5年法律第26号の126条3項(新規事項追加禁止)が依然として適用される、と述べています。

それは、(1)平成5年法律第26号附則2条1項が「この法律の施行の際(平成6年1月1日)現に特許庁に係属している審判・・・については、・・・その・・・審判・・・について・・・審決が確定するまでは、なお従前の例による。」と規定しているところ、本件の無効審判(及び訂正請求)は、この「なお従前の例による。」場合には該当せず、且つ、(2)平成6年法律第116号附則6条1項が「・・・この法律の施行前にした特許出願に係る特許の願書に添付した明細書又は図面についての訂正及び訂正に係る特許の無効については、なお従前の例による。」と規定しているところ、本件の無効審判(及び訂正請求)は、この「なお従前の例による。」場合に該当するから、ということです。

4.審決予告
改正法164条の2で、無効審判請求における「審決予告」が創設されました。この審決予告は、従来は(改正後も同じですが)無効審判の審決(第一次審決)が審決取消訴訟で取り消された後は改めて審決(第二次審決)が出されることになりますが、その第一次審決に相当する位置づけです。

この審決予告が出たときは、被請求人は指定期間内に訂正請求ができます(新法の164条の2第2項、第134条の2第1項)。

この訂正請求が出たときは、請求人は、審判長の許可に基づいて、無効審判請求書の請求理由を(要旨変更にならない範囲内で)補正できます。この無効審判請求書の請求理由の補正ができる期間は、審理終結通知が出るまでは特に制限はないのですが、実際には、審判長からの、訂正請求が出たことによる弁駁書提出の指定期間(30日。施行規則による)内に、請求人から請求理由の補正書が出されることが多いようです。

なお、訂正請求を出せる場合・期間は特許法134条の2第1項にまとめられています。

特許法134条の2第1項によると、訂正請求ができるのは、次の4つの場合です。
(1)134条1項又は2項の答弁書提出期間内
(2)134条の3第1項の無効審判の請求不成立審決に対して審決取消訴訟が提起されその取消判決が確定して(つまり請求不成立審決が取り消されて)無効審判の審理が再開される場合において、「取消判決の確定から1週間以内」に被請求人から申立があった場合に限り行われる、審判長による指定期間内
(3)153条2項の場合(職権審理による無効理由通知の意見書提出期間内)
(4)164条の2第2項(審決予告の後の指定期間内)の場合

5.訂正審判/訂正請求による訂正の確定
法改正とは関係ありませんが、次のようになっているようです(私見が入っています)。
・訂正を認める審決は、訂正審判の相手方は特許庁なので、「送達」されたとき、誰も争えない状態になり「確定」する。
・無効審判の対象となっている請求項についての訂正請求による訂正を認める審決の部分は、審決が確定したとき、「確定」する。
・無効審判の対象となっていない請求項についての訂正請求による訂正を認める審決の部分は、審決(無効審判の請求そのものが成立か不成立かに拘わらず)が「送達」されたとき、誰も争えない状態になり「確定」する。

もともと「いつ、どのような場合に、審決や判決が確定するか」についての明文規定はないようです。というか「再審などの特別な手段を除き誰も争えない状態になったとき」が「確定したとき」なのです。

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■平成23年の特許法改正の全体像(2011年6月 1日メモ)

平成23年特許法改正の主なポイントは次のとおりです。
1.発明を横取りされて出願(冒認出願)され特許された場合は、真の発明者(又はそれから特許を受ける権利を譲り受けた者)は特許を自己に移転することを訴訟で請求できる(74条1項。追記:例えば3人が発明者なのに2人だけが出願して特許された場合、残りの1人の発明者又はそれから特許を受ける権利を譲り受けた者は他の2人に対して共有持分の移転を請求できる)。

2.特許ライセンスを受けたライセンシーは、ライセンサーが特許を譲渡した場合でも、特許の譲受人に対して(特許庁への登録がなくても)自己の通常実施権を主張できる(当然対抗制度。99条1項)。

3.発明者の行為(公表)に起因して公知になった発明(公表の態様は問わない。但し内外国の特許庁の公報に掲載されたことにより公知になった発明は除く)については、その公知になった日から6ヶ月内に出願すれば新規性・進歩性を失わない(30条2項)。

4.赤字の中小企業等に対して減免する特許料を、第1〜3年分の特許料から第1〜10年分の特許料へ拡大する(109条1項)。

5.訂正審判請求または訂正請求の目的要件として、改正前の特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明の3つに加えて、「請求項の記載を従属形式から独立形式に変更すること」を追加した(126条1項4号、134条の2第1項4号)。

6.訂正審判請求または訂正請求を、請求項ごとに又は「一群の請求項」(引用関係など政令で定める関係を有する一群の請求項)ごとに行うこととした(126条3項、134条の2第2項及び3項。訂正請求については改正前から認められていた。訂正審判請求については、改正前は「全ての請求項」を一体として請求しなければならなかった)。これとの関係もあって無効審判や訂正審判の審決の確定範囲も請求項ごと又は一群の請求項ごととした(167条の2)。

7.無効審判において「請求に理由がある」(つまり無効)とする審決を出すときは、その前に「審決の予告」をして特許権者に訂正請求の機会を与えることとし(164条の2)、その代わりに、無効審判が特許庁に係属した時からその審決が確定するまでの間は、訂正審判の請求を禁止した(126条2項。改正前は、改正前の126条2項により無効審判の審決に対する取消訴訟の提起から90日内は訂正審判の請求ができたが、そのために、出訴後に特許権が訂正されると事件が無駄に裁判から審判に差し戻されてしまうという弊害があったので、無効審判の段階で訂正請求の機会を確保する代わりに、無効審判の特許庁への係属後は、それが確定するまでの間、訂正審判請求を一律に禁止した)。また、この関係で、改正前の181条2項(無効審判の審決の取消訴訟が提起された後の90日内に訂正審判請求が行われたとき裁判所が決定により審決を取消すことができるとの規定)を削除した。

8.侵害訴訟の原告勝訴判決が確定した後に特許無効の審決が確定した場合でも、又は原告敗訴判決が確定した後に特許訂正審決が確定した場合でも、その審決の確定を再審事由として主張できないとした(104条の4)。

9.無効審判の確定審決について、同一の事実及び証拠に基づいて争えない者の範囲を、改正前の「何人も」から「当事者及び参加人」に狭めた(167条)。つまり、無効審判の確定審決の第三者効を廃止し、無効審判の審決が確定しても当事者等以外の第三者は同一の事実及び同一の証拠に基づいて無効審判を請求することができるとした。

10.料金関係では、意匠法の改正により、意匠登録の第11〜20年分の維持年金が第4〜10年分の年金と同額の年16,900円に減額されました(意匠法42条)。また特許出願の審査請求料については、法改正とは別ですが、本年中の減額が特許庁内で検討されているようです。

11.商標法の改正では、商標権が消滅した日から一年を経過していない他人の商標又はこれに類似する商標の登録を認めないとする規定(改正前の4条1項13号)が削除されました。

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